小説☆カレル編短編集---オレストのどきどきアンケートv

ライマーさんとカレルさんの関係を何とか進展させたい俺は、まず二人の気持ちを探ることから始めようと考えた。それで思いついたのがこのアンケート!一人でいるところを見計らって(一人でも太刀打ちできないのに、二人揃ったら、もう全く付け入る隙がないから)、それぞれに同じ質問をし、それをまとめてみた。さり気ない質問から、徐々に核心に触れていくぜッ!

<オレストメモ>
・R→ライマーさん
・K→カレルさん

■趣味は?
  R「読書。」
  K「囲碁。」

  うう…つまんない質問をしてしまった。カレルさんに人間観察は?って聞いたら、「そいつは研究テーマ。」だってさ。

■好きな食べ物は?
  R「米。」
  K「リンゴ。一個で腹も満たされるし体にもいい。そのお手軽さが好きだ。バナナもいいが、皮が食えねぇのが難点。」

  ライマーさんが一言「米。」って答えたのが、らしくて笑えた。一方、カレルさんは、なんだか便利さだけを求めているような気がして、味はどうなんですか?と聞いてみたら、「ああ、ハチミツ掛けた方が好きかもな。」という答え。

■嫌いな食べ物は?
  R「単品でならそうでもないが、料理に入っている甘い野菜や果物が好きじゃない。酢豚にパイナップルなど言語道断。」
  K「肉。胸焼けするから。」

  酢豚のパイナップル、美味いけどなー?カレルさん、やっぱり味は問題じゃないらしい。

■苦手なものは?
  R「意味不明なこと。カレルのお陰でだいぶ慣れてきたが。」
  K「ライマー。」

  ライマーさんの回答を聞いて真っ先に思い出したのが、カレルさんの手遊び。ペンをクルクル回すのなんて日常茶飯事。俺が目撃した中で一番意味不明だったのは、はさみで髪の毛を細かく切ってるなーと思ったら、今度はそれを一列にチマチマと並べ始め、それをどうするのかと思いきや、最後にふーっと吹き飛ばしてしまったやつ。一体、何がしたかったのかを聞いてみたら、最初はハサミで髪の毛を切る時のプツッとした感触が楽しくて、その内、職人は研ぎ澄まされた感覚で同じ長さに切っていくというのを思い出して、それに挑戦して並べて長さを確かめてみたけど、やっぱり職人のようにいかなかったのだとか。カレルさんなりの意味はあるらしいけど、それを聞かされても「だから何なんだろう?」って感じ。
  そして意外だったのがカレルさんの答え。理由を聞いたら、「こっちの考えを見透かされちまうから。」なんだそうな。確かに、深く知られてたら嘘や誤魔化しはきかないよな。それと、そういえばカレルさんは、ライマーさんの言う事には逆らわないんだ。

■一番の親友と言えば、勿論?
  R「カレル。」
  K「ライマー…って、今更聞くか?」

  カレルさんもライマーさんも友達が多い。だけど意外なことに、共通の友達はそんなにいない。二人いつもいっしょだから、交友関係も同じかと思ってたけど、そうじゃなかった。ほら、二人は全然タイプが違うから、お互いの友達同士が合わないんだってさ。なかなかライマーさんとカレルさんみたいにはなれないよな〜。

■お二人にとってお互いはどんな存在ですか?
  R「半身。」
  K「アイツと俺は、元々一つだったって気がする。じゃねぇと、説明つかねぇ事が有り過ぎる。」

  確かに。二人のツーカーぶりにはいつもびっくりさせられるもんなー。いや、あれはもう、ツーカーっていうレベルを超えてる。カレルさんがふと、「ライマーが帰って来た気がする。」っていうと、ホントに帰って来てるんだもんな。あれには驚いた。それとか、全く同じ事を考えてたり、会うはずのないところで偶然会ったり。そういうことが二人にはよくあるんだ。

■お互いの好きなところは?
  R「……………。」
  K「かっこいいとこv」

  いよいよ本題だというのに、ライマーさんいきなりノーコメント。『好き』という言葉は適当じゃないんだとか。もっと軽く考えてくれたらいいのに。だけどカレルさんの場合は軽過ぎ!これはちょっと信用できない…。

■じゃあ、嫌いなところは?
  R「…嫌いと言うわけじゃないが、時々訳がわからなくなるのは勘弁してほしい。せめてもう少し理解可能な範囲に留めてくれ。」
  K「嫌い?ライマーを嫌う奴なんて、そいつの方がおかしい。」

  ライマーさんの気持ちわかる!俺も時々カレルさんについて行けなくなるもんなー。カレルさん、さっきの質問の時と打って変わって、これは真面目に答えた。ライマーさんの事をちらとでも非難した人間には、カレルさん、容赦しないもんなー。怖い怖い…。

■互いに何を求めますか?
  R「何もない。さっき言った事以外は。」
  K「愛!あー、それと優しさ!もっと優しくして欲しいv」

  ライマーさん、何もないって事はないでしょう?…ははあ、成る程。つまり、ありのままでいいって事なんですね。カレルさん、ふざけてるフリして案外それが本音だったりして?

■結婚について
  R「俺は結婚するつもりはない。…カレルが結婚したらどうするか?勿論、祝福する。あいつは良き夫・良き父親になる。家族のために働いて良い家庭を作るだろうな。……だが、あいつはもうそれを十分してきた。子どもの頃から親兄弟を養ってきて、今でも給付金の殆どを家族や弟が勤めている孤児院に送って、自分のために使う事は殆どない。これまでずっと人の為に自分を犠牲にし続けてきたんだ。結婚もアイツがしたいというならそれは構わないが……俺としては、あいつには自分自身のために存分に生きてほしいと思う。」
  K「気楽な独身生活は中々手放せねぇな〜。もっとも俺は家族が多いから、これ以上増えたら面倒みきれねぇってのもあるけどな。…ライマーが結婚?…………さーな。……………あいつは責任感が強い奴だからな。結婚したらまず家庭を大事にしようとするだろう。けど、軍にいる以上、どうしても仕事優先になっちまって、それができない。この状況が続く限り、結婚はしねぇんじゃねぇの?」

  これだよ、これッ!俺が欲しかった答えはッ!ライマーさんは本当にカレルさんの事を思ってるのがヒシヒシと伝わってきたーv『振り向いてくれなくていいの。あの人が幸せなら、それで…。』恋愛小説のけなげな主人公みたいだはは〜♪そしてッ!カレルさんが「さーな。」って言ったときの沈黙!それが全てを語ってる気がする!

■もし、ライマーさんもしくはカレルさんが死んじゃったらどうしますか?
  R「多分、立ち直れないだろうな。」
  K「死ぬ。死因は餓死か、そこまでいかなくても、あっという間に栄養失調になったところで敢え無く病死。」

  どんな時も自分を厳しく律するライマーさんが、まさか「立ち直れない」なんて…。カレルさんに「ライマーさんじゃなくても、面倒見てくれる人はいるんじゃないですか?妹さんとか…。」と言ってみても、「そうだな。」っていう気のない返事。生きるつもりないんだ…。何か、しんみりしてしまった…。

■最後に一言
  R「別にないが…ところで、こんなことを聞いてどうするつもりなんだ?」
  K「お前も暇だな〜。」

  ライマーさんにこのアンケートの目的を聞かれ、ドギマギしながら急いで退出!!…でも、カレルさんの言うとおり、ホント暇だな、俺…。

<今回のまとめ>
  ライマーさん、達観しすぎて、カレルさんに対して子どもを見守る親の気持ちになってんじゃないかな?カレルさんの方は、やっぱりよくわからないけど、少なくともライマーさんが結婚する事に対して、寛容じゃいられないんだってのがわかった!コレは大きな収穫だ!やっぱ独占したいんだなぁv
  問題はこれをどう進展させていくか。今後の課題だ。

目次へ戻る