小説☆アラアル編---救い(5)

  「アルベル様…!」

家に帰ってきたアルベルを、アランが万感の思いを込めて抱きしめようと近寄ると、アルベルは後ろに下がり、

  「近寄るな!」

と牽制してきた。

  「え?」

もう人目はないというのに、どうしてこんな拒絶をされるのかとアランが戸惑っていると、

  「…風呂に入る。」

と、アルベルは装備を外し始めた。装備も、服も血で汚れていた。アルベルは、自分の体にまとわりついた死臭を全て洗い流したかったのだ。




アルベルは湯船に使って、じっと目を瞑っていた。

目の裏に焼きついた子供の無残な姿。耳について離れない親達の慟哭。

そして、クレアの目に浮かんだ涙。

あれは八つ当たりだった。イライラとした気持ちをあの女にぶつけてしまった。

それらがグルグルと巡って、アルベルの心を締め付けていく。

唯一の救いは、父と母に会えたことだ。

あれが夢ではなく、本当に存在する世界なら、子供達も今はきっと苦しんではいない。そのことを親達にも上手く伝えられたらとも思うのだが、不器用な自分には到底無理なことのように思えた。

  「なあ、親父ならどうした?」

アルベルはぽつりと口にしてみた。だが、返事の変わりに、湯船にポチャンと水滴が落ちただけだった。




アルベルが風呂に入ったきり出てこない。その時間が余りに長いので、アランは心配になって様子を見に行った。

  「アルベル様?」

そっと覗いてみると、アルベルは膝を抱え、うずくまるように湯につかったままじっとしていた。

  「アルベル様?どうかなさったのですか?」

アランがそっと呼びかけると、アルベルが顔をあげた。アランははっと息を飲んだ。アルベルの目にはいつもの力がなく、どこか悲しげだったのだ。この場に自分が踏み込んでよかったのだろうかとアランは思ったが、アルベルは自分を追い払おうとせず、黙って静かに目線を湯の中に戻した。それがうなだれているようにすら見え、アランは再び声を掛けずにはいられなかった。

  「随分、お風呂が長いので、少し心配になったものですから。」

アランの優しい声に、アルベルは初めて素直に弱音を吐いた。

  「…死臭が消えねぇ。」

  「死臭?」

アランがアルベルに近づくと、アルベルは急に慌て、

  「近寄るなと言ってるだろ!?」

と避けようとしてきたが、アランは構わず強引にアルベルの腕を掴んだ。

  「放せ!」

アルベルは逃げようとしたが、それを放さず、鼻に近づけて匂いをかいだ。

  「!」

アランが顔を顰めるのではないかとアルベルは身をすくめたが、アランは顔を上げて不思議そうにアルベルを見つめた。石鹸のいい香りがするだけだったのだ。

  「死臭などしませんが?」

そんなはずはないとアルベルは腕を取り返し、自分の鼻に近づけた。

  「いや、してるじゃねえか!」

恐らくそれは精神的なものだろう。アランは、湯の中で何度も体を擦るアルベルを見ながら、しばらくどうしたものかと考えていて、

  「そうだ!」

と目を輝かせた。その突然の声にアルベルはビクゥッと驚いた。

  「阿呆、突然でかい声だすな。」

  「すみません。いい事を思いつきました!すぐに戻ってきますので、このまま待っていて下さいね?」

それをやたら嬉しげに言ったかと思うと、アランはあっという間に居なくなった。

アルベルはポカンとしてそれを見送った。




アランは息を弾ませながら、本当にすぐに戻ってきた。手に何か持っている。

  「なんだそれは?」

  「香油です。」

  「香油?」

アランはビンの蓋をとり、アルベルの鼻に近づけた。アルベルは香水のキツイ匂いを予想して、恐る恐る匂いをかいだが、予想に反して匂いはやさしく、寧ろ、胸いっぱいに吸い込んでみたくなるようないい香りだった。

  「この香りはどうですか?嫌ではない?」

  「ああ。」

  「それは良かった。」

アランはアルベルの濡れた髪を綺麗に結い上げると、シーツを広げ、アルベルをその上に誘った。

  「さ、こちらに。」

アルベルは風呂から出ると簡単に体を拭いて、腰に布をまき、シーツの上にどかっと胡座をかいて座った。

  「さ、手を出して。」

言われた通りに両手を差し出すと、アランはそこにたっぷりと香油を注いだ。

  「うわッ!出し過ぎだ!」

香油はアルベルの手から溢れ、それが足に落ちた。心がおちつくような、やさしく爽やかな香りが風呂場中に満ちる。

  「いいのです。全身につけるのですから。」

  「…。」

アルベルは手を捧げた格好のまま、するすると服を脱ぎ始めたアランを見て警戒している。

アランは全裸になると、アルベルの手を両手で握るようにして、中に溜まっている香油を自分の手のひらにたっぷりとつけた。

  「さ、横になってください。」

手の香油をアルベルの腕に伸ばしながら肩を押し、アルベルをシーツに横たわらせて腰布を剥ぎ取った。

  「な、何を!」

  「じっとしていてください。」

アルベルが驚いて起きあがろうとしてきたので、アランはそれをやさしく押し留めた。

  「何をするつもり…うわッ!」

アランは香油のビンを傾け、中身をアルベルの胸のあたりにつーっとたらした。

アランはそれを手のひらでゆるりとのばしながら、アルベルの全身に香油を行き渡らせていった。

アルベルは既に大人しくなっている。アランはアルベルの足元に座り、まず足からマッサージし始めた。足の裏、足の指の間にぬるぬるとアランの指が滑る度に、アルベルの中心に向かって伸びた神経が、きゅんっと甘く痺れる。

  「ぅ…ん…。」

思わずアルベルが微かに鼻をならすと、アランの口元がほころんだ。

足先から太ももまで、香油を手のひらで満遍なく行き渡らせる。手が脚の付け根に近づく度、アルベルの反応が大きくなる。

  「はッ…ん…!」

滑らかな脚の間では、アルベル自身が目覚めはじめている。アランはそこを素通りして、更に足の付け根から上に手を滑らせていった。

  「ッ…!」

アルベルの押し殺すような声に、アランは堪らなくそそられ、それを近くで聞いていたくなって、アルベルの足の間に肩膝を割り込むようにして圧し掛かった。互い体に互いの昂ぶりが押し当てられる。

アランはアルベルの顔を見つめながらアルベルの胸に手の平を滑らせた。アルベルは目を瞑って時折ビクンと体を震わせている。

  「ッ…!」

ピンと立った乳首を指でなぞると、油の滑りでぬるりとアランの指の間から顔を出してきた。それをあちらこちらへと押しやるようにしながら胸全体をぬるぬると刺激する。するとすぐにアルベルの吐息に小さく声が混じり始めた。

  「ぁ…ぁぁ…。」

アルベルの身悶えを感じるだけで、アランの体も疼いていく。

  (ああ…アルベル様…。)

愛おしさが胸一杯に込み上げ、それを持て余してどうすればいいのかわからなくなってしまう。アランは感極まったようにアルベルに口付けた。

  「う…ん…。」

すると、いよいよ本格的な刺激が欲しくなってきたアルベルがアランの首に腕を回して引き寄せ、足を絡ませてきた。

そうしてお互いの体を擦り合わせると、ぬるぬるとまるで全身が性感帯になってしまったかのようだ。

それから二人は夢中で縺れ合い、極上の快感を貪った。







朝、明るい朝の光の中でアルベルは目を覚ました。ぐっすり眠って気分も晴れたのか、爽やかな気分だった。アランは隣で自分に寄り添うようにして眠っている。その穏やかな寝顔を見て、アルベルは微かに微笑み、ふと思い出して自分の腕の匂いをかいでみた。するとあれ程鼻についていた死臭はすっかり消え去っていた。

  「まだ気になりますか?」

アランも半分目覚めていたのだろう。アルベルが動いた気配で目を覚まし、アルベルの様子に気付いて、そっと声をかけてきた。

  「…いや。消えた。」

それを聞いて安心したアランは、アルベルの髪に口を寄せ、ふわりと髪を撫でた。アルベルは気持ちよさそうに目をつぶり、もう一度眠ろうとしていたが、あることを思い出して完全に目を覚ました。

  「一つ…謝る事がある。」

  「それはまた…何です?」

アルベルの改まった口調に、アランは何事かと目を開けた。一体何を謝られるというのだろう。アルベルは自分の髪をいじりながら、言い難そうにしている。

  「遺跡に行く前に…お前に貰った…」

  「ああ、グリーンタリスマンですか?」

  「あれは…壊れた…粉々に…。」

アランは、そんなことですかと微笑んで、アルベルの体を抱きしめた。

  「お役に立てたのですね。良かった…。」

アランはあのグリーンタリスマンを常に肌身離さず、時折、祈りを込めるように握り締めていた。その姿をアルベルは思い浮かべていた。

  「大切なものだったのだろう?…母親の形見か?」

アランはアルベルを安心させたくて、違いますと言い掛けて止めた。アルベルには嘘は付かないと約束したのだ。

  「…確かに、あれは母からもらった物ですが、いつも身に付けていたのは、そのためではありません。」

大切でなかったわけではないのだが、それを言う必要はない。アランにとって、アルベルより大切な物などありはしないのだ。

  「いつだったか、強い思いを込めたグリーンタリスマンには、その思い人を守る力が宿るという話を聞きました。ただのおとぎ話だそうですが、何故かどうしても聞き流す気にはなれなくて、実際にやってみようと思ったのです。それで、色々と探した中で一番大きく純度の高いグリーンタリスマンであったものを使ったのです。あれが壊れたのなら、また新しく作ればいいだけの事。」

死んだ人間が生き返るなど、現実には有得ない話のはずだ。だが、アランはそれを真に受け、真剣に思いを込め、それによって自分は、夢か現か両親に会い、更にこうして無事で帰って来る事が出来た。それは今でも信じられない。

あのグリーンタリスマンはとても古い物だった。恐らく、親から子へと代々受け継がれてきたものに違いない。子を思う親の気持ちが、時代を経るごとに大切に込められ、それがアランの思いに答えて奇跡を起こし、今こうして自分が在るのではないだろうか。

アランはアルベルを抱きしめている腕に力を込めた。

  「…あなたが炎に飲み込まれたと聞いたときには、もう…生きた心地がしませんでした。あんなに恐ろしい思いをしたのは初めてです。私は、あなたさえ居て下されば、他には何もいりません。本当にご無事で良かった…。」

そんなアランの強い思いに対して、アルベルは何も言えずに、ただ黙ってアランの体に腕をまわした。どうしたらこれ程の気持ちに答えることが出来るのだろうか。アルベルは自分の出来る限りの事をしてやりたいと心から思った。






  (本当に、朝は必ずやって来るのね。)

泣きつかれて、空が白々と明けるのをぼんやりと見ながら、クレアはそんなことを思った。この言葉を使って人を慰めたこともあった。否、慰めた『つもり』になっていた。クレアはふっと自嘲した。

誰かが今の自分にそれを言ってくれたとしても、だから何?と思うだけだろう。空がどんなに晴れていようが、自分の心はそれと関係なく大雨なのだ。

クレアはあれから涙が枯れるまで泣き続けた。子供達を救えなかったこと、親達の期待を裏切り、二重の絶望を味あわせてしまったこと、そしてアルベルによって気付かされた自分のエゴ。それらを思い起こしては涙をこぼした。本当ならこのままずっと閉篭もっていたい。だが、今日は遺跡を完全に封鎖してしまわなくてはならないのだ。総指揮である自分が行かないわけにはいかなかった。

  (もう、十分泣いたわ。)

クレアは自分にそう言い聞かせ、鏡の前に立って、自分の顔を見つめた。こんな泣き腫らした顔を人に見せるわけにはいかない。シーハーツ軍の総指揮として常に毅然とし、また女王の名代に相応しい品位を保っていなければならない。女王の名を汚すことは決して出来ないのだった。

クリムゾンブレイドという名がクレアに重く圧し掛かる。何もかも放り出してしまいたい。これまでもそう考えることはあった。だがその度にネルの顔が浮かび、それを思いとどまらせてきた。

  (ネルに会いたい。)

そして何もかもぶちまけてしまいたい。彼女はきっと優しく黙って聞いてくれる。それだけで心が救われる。それだけでまた頑張れる。だが、今は自分だけで立ち直らなくてはならないのだ。

  「クレア、しっかりしなさい!」

クレアは自分に喝を入れ、冷たい水で顔を洗って、鏡を覗きながら無理やり笑顔を作った。

  「大丈夫。私はやれる。頑張れるわ。自分を信じるのよ。」

そう声に出して念じ、背筋を伸ばして部屋を出た。




―――ドキン!

遺跡の近くに来ると、アランの後姿が見えた。クレアは深く息を吸い込んで、勤めていつも通りに、

  「おはようございます。」

と声を掛けると、アランが振りかえった。

  「おはようございます。」

昨日とは打って変わって、落ち着いた、いつもの優しい表情のアラン。

  『ここまでで、もう十分なのではないですか?』

  『生きている見込みのない者の為に、どうしてあなたが』

あんなことをこのアランが言うなど、あれはただの聞き間違いだったような気がした。

だが、アランは挨拶だけを残して、そのまま通り過ぎていってしまった。昨日の今日なのだから、一言くらいあってもいいのではないか。無意識の内に慰めの言葉を期待していたクレアは、アランの後姿を見送りながら寂しさを噛み締めた。

  『あいつは裏で何をやっているのかわからない人間だと感じたんだ。クレア、きっと傷つくよ。』

ネルの言葉が脳裏を過ぎる。そう言えば、仕事以外の事で、アランの方から声を掛けてくれたことは一度もなかったことに、今更ながらに気付いた。

しかし、アランが通り過ぎた時にふわりと鼻腔をくすぐった残り香に、クレアの胸が疼いている。

このトキメキはそう簡単に押さえられるものではなかった。




アランを見送ったあと、ぼんやりとこれからの作業のことを考えていると、後ろから声を掛けられた。

  「おい。」

低い声での突然の呼びかけに、クレアはびくっと肩を震わせた。そして振り返ると、今、最も顔を合わせたくなかった相手が目の前に立っていた。

  (アルベル・ノックス…。)

アルベルは不機嫌そうに自分を見下ろしている。

  「あの…」

何を言うべきか、不意打ちを喰らって何も準備していなかったクレアは、取り合えず昨日の事を謝ろうとして、昨日はそれでアルベルが怒ったのだと思い出し、何も言えなくなってしまった。頭は必死に話題を探すが、空回りするばかりだ。沈黙が恐ろしく長く感じる。

しーん。

何故、アルベルは黙っているのだろう。クレアは沈黙の中でしばし戸惑っていたが、その時ふと、ひょっとしてアルベルは自分の「あの…」という言葉の続きを待っているのではないかと直感した。そこで慌てて言葉を継ぎ足した。

  「あの…何か?」

すると、漸くアルベルが口を開き、驚くべきセリフを口にした。

  「…昨日は言い過ぎた。」

全く予想だにしなかった言葉に、クレアは驚いて目を見開いた。

再び降りた沈黙の中、アルベルは決まりの悪そうな視線をそらし、それによってクレアは我にかえった。

  「…あ…いいえ…あれは、あなたの仰る通りでした。」

  「ふん。確かに、本当の事を言ったつもりだ。だが、あの時に言うべきではなかった。」

  (本当の事なのに言うべきではなかった?どうして…?あの時…?ひょっとして、あの時私が傷ついていたから?)

本当はそう聞きたかったのに、まさか!という思いと、アルベルに対する気まずさから、口では違うことを言ってしまった。

  「いいえ、言われなかったら、ずっと気付かないままだったかもしれません。言ってくださって感謝します。」

すると、アルベルは盛大に溜息を付き、今度は怒り出した。

  「その、いい子ぶる所が気に入らねえんだ!てめぇの本心は違うだろう!何か言い返せ!」

『いい子ぶる』という言葉にクレアはカッとなった。好きでこんな自分を演じているわけではないのだという思いが今は強く表に出ていたのだ。

  「私だって、本当は…!」

そこまで言って、クレアは自分の声の大きさに我にかえった。クリムゾンブレイドとして相応しい態度を示さなければならないのに、こんな所で、しかもこんな相手に思わず自分の本心をぶちまけてしまう所だった。

  「…。」

アルベルは黙ってクレアを見下ろしている。その鋭くも真っ直ぐな目を見てハッとした。アルベルの昨日の姿とダブる。親達の罵声も黙って聞いていたあの姿と。あの時と同じように自分の言葉も受け止めようというのだろうか。

一瞬、クレアはこのアルベルに何もかもぶちまけてしまいたい衝動に駆られた。そうした時、このアルベルはどんな顔をするのだろう?そんな気持ちもあった。

だが、クレアが素の自分を曝け出すのは、ネルの前だけだ。かつての敵であるアルベルに甘えるなど到底できず、意地を張って、またもや言おうとしていたこととは違うことを言った。

  「本当は…ショックでした。でも、ショックを受けたということは、思い当たる事があったからです。」

口からスラスラと出てきた模範解答に我ながら呆れていると、

  「けッ!結局、100点満点の回答じゃねぇか。」

アルベルも呆れた調子でそう言い、何故だかそれが可笑しくて、思わずクレアは笑ってしまった。すると笑った分だけ気持ちがすっと軽くなった。

  (不思議ね…。)

このアルベルとは、まともな会話をしたことはないのに、どこか通じる部分がある気がする。

そこで、クレアにはアルベルに言うべき事があったことを思い出した。

  「身を挺して部下を助けて下さって感謝しています。本当に有難…」

  「止めろ!あれはただの物の弾みだ。」

アルベルは照れくさいのか、思いっきり不機嫌そうな表情をし、

  「話はそれだけだ。」

と、居心地の悪いその場から立ち去ろうとしかけたのを、

  「待って!」

とクレアは呼び止めた。話をしている内に、一つ聞いてみたい事があったのだ。

  「あなたは…今回の救出に反対だったのではないですか?」

すると、アルベルはチラリとクレアに視線だけを戻した。

  「誰が反対だと言った?ただ、救出は無理だと言っただけだ。」

言われてみれば確かにそうだ。だがあんな態度をしていたら、反対なのかと思うのが普通だろう。

  「それでは、何故行こうと…?」

  「…亡骸を拾ってやるくらいの事は出来る。」

その答えでやっと確信できた。彼も自分と同じように心を痛めていたのだ。

  (不器用な人…。)

クレアの瞳に優しさがこもり、口元が微かに緩んだとき、

  「アルベル様!」

遠くからアランの声がした。振り返ると、アランが足早に近づいてきていた。

アルベルがそれに応じるように、クレアの前を通り過ぎてアランの方へ向かっていった。

―――え?

その時、ふわりと漂った香りにクレアはドキリとした。

アランと同じ香りだった。

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