小説☆アルベル編---それぞれの休日〜アルベル

  「全く、せっかくの休暇だというに、他に遊んでくれる者はおらんのか。」

パチ

  「うるせぇ。」

パチッ

  「女と会ったりはせんのか。」

パチ

  「……。」

パチッ

  「ふーむ……その年で女もつくれんとは、いやはや嘆かわしい。」

パチ

  「女に興味はねぇんだよッ!」

パチッ

  「ほほう……おぬしに、男色の気があろうとはな。それは気付かなんだ。」

パチ

  「そんなわけあるかッ!勝手なことぬかすなッ!」

パチーッ!

  「うーむ……なかなかやりおるな。」

  「ふっ、参ったか。」

  「じゃが、甘い甘い。」

パチ

  「ぐッ!……くそっ!これでどうだッ!」

パチーッ!

  「思う壺じゃ。王手。」

パチ

  「し、しまった!!」

  「待ったはなしじゃ。」

  「わかってるッ!もう一回だッ!!」

ガチャガチャガチャ!

  「いい加減にせい。『もう一回』が、何回続いたと思うとる。ワシはもう疲れた。」

  「負けたまま引き下がれるかッ!」

  「ほれ、見てみよ。外はいい天気じゃ。外で遊んで来い。」

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■あとがき■
アラアル短編集「将棋」の続編です。
アラン編/→カレル編